陶芸家が窯で土を焼くことについて
陶芸家が山奥に佇むひっそりとした工房で窯を焚く様子をイメージしている人が多いと思う。
工房周辺の木を切り自作の窯で一日中火を燃やし、ものすごい量のCO2を排出して出来上がった作品が気に入らなければその場で叩き割るというイメージが陶芸家にはどうしてもあるようだ。
さらに、陶芸家はひげを生やしまくっておじさんで独特な作業着を着ている仙人のようなイメージだったりもする。
しかし、現実にはそのような人は少なく、現代では窯はガスや電気などが使用され、土を一回焼成すると、自然に返らなくなる産業廃棄物になるため器を焼く前に納得がいかなければ焼かないのが基本である。
つまり、陶芸家が器を窯に入れて焼くということは自然への責任があるため、中途半端な出来のものは焼かないのである。
現代の陶芸窯
現代では薪の代わりに電気やガスが使用される電気窯やガス窯が主流である。
少し前は重油窯と呼ばれる近代的な窯を採用していたが、重油の中に含まれる硫黄による人体や環境への悪影響があり現代ではもっとクリーンな電気やガスが使用されるのが一般的だ。
さらに、もう少し先に未来ではシェールガスやメタンハイドレートやオーランチオキトリウムといったクリーンな次世代エネルギーが使用され、陶芸も環境に配慮する時代が来るはずである。