陰謀論の伝播について
昨今のインターネットの世界では陰謀論というワードが見慣れたものとなっている。陰謀論とは、何らかの事象に対して、特定の団体や個人が黒幕となって、基本的には人為的に発生したのではないかという説の総称です。
つまり、陰謀論は、説明のつかない事象に対し、無理やりに理由をつけて理解しようとすることである。
私の記憶で言えば9・11のアメリカで起きた同時多発テロの頃からよく耳にするようになった。
それ以前からも様々な事故や事件に対して陰謀論を唱える声はあったと思うが、衝撃的なこの事件に関しては後の検証から様々な憶測や事実が分かってきた。
例えば、台風や地震などの自然災害が起こった際、それをプレートの動きや気圧を原因と考えることが現在の科学では一般的ですが、「実はA国の新型兵器の実験として人為的に起きた現象である。」というように、その原因を何らかの団体や個人が、利益を得るために行った人為的行動であるという論を一般的に陰謀論と呼ぶ。
そもそも、陰謀論とは?
陰謀論の具体例
秘密結社や都市伝説という言葉を聞いたことがあるのではないだろうか。このような言葉はドラマやマンガの中だけではない。
数多くある陰謀論の中には噂だけではなく現実にあった出来事があるのも事実だ。
元イギリス王妃のダイアナ氏の自動車事故もキング・オブ・ポップのマイケルジャクソンの死亡にも陰謀論が展開されているのは有名なことだ。
陰謀論は太古から人間の生活に見られているが、インターネットの普及などを通して、若者を中心に大きな支持を得ているものもある。
さらに遡れば第35代アメリカ大統領ジョン・F・ケネディの暗殺事件に関しても陰謀論が展開されている。
ケネディ大統領は、FRBとは別にアメリカ政府で6時に政府通貨を発行して民衆のために財政政策を行おうとしていたことが、暗殺の原因だとされている。
情報社会の現代において再び「陰謀論」がにぎにぎしくなったのは記憶に新しい新型コロナウイルスが引き金ではないだろうか。
いまだに新型コロナはどこかの生物兵器だと主張していたり、反マスクをうたうデモがある。
将来的には、ムーンショット計画という人間をデジタルの世界に閉じ込めてしまう計画につながっていると言われている。
これは世界のどこかの話ではなく、間違いなく私たちの住む日本での出来事だ。
新型コロナウイルスは陰謀か
一つの国だけでなく世界的なパンデミックとなった新型コロナウイルスを誰かの陰謀であると決めつけるのは現実的ではない。だがまだはやり始めたばかりのころ、確かにこのような陰謀論めいた話は出回っていた。
感染拡大は嘘、人口削減が目的、など。
アメリカではコロナより前から経済の不安や不満から似たような根拠のない陰謀論が浸透し、社会問題にもなっている。
これは日本でも他人ごとではないのではないだろうか。
バブル崩壊後、日本の経済は決して豊かとはいえない。
その上に新型コロナウイルスの蔓延、緊急事態宣言で国民の不安や不満は募るばかりだ。
ますます格差が広がっている現代で現実逃避の逃げ口として陰謀論へ傾倒しても不思議ではないのが現実だ。
陰謀論なんて無い
ここまでで気がつかれたと思うが陰謀論なんてものは無い。つまり事実があるだけなのだ。
人口削減計画やコロナにまつわる陰謀も全て事実としてありえる事だろう。
実際世界で巨額な資金が流れているというのは本当なのだ。
それを陰謀というのはおかしい。
保険会社ロイズは5Gによる健康被害を保険の適用範囲外とした。
世の中はありえないようなことが現実に行われていたりするので善か悪かという視点で物事を見ている限り陰謀論に振り回される。
善悪ではなく事実を見抜いて客観視する力が今後必要となるだろう。
怖いのは世間が陰謀論と一括りにすることで真実が掻き消されてしまうこと。
まさにこれこそが陰謀である。
それ以上立ち入らせないために滑稽な陰謀説をわざと拡散させて目眩しをおこなっているということも視野に入れながらこの激動の世界を注視すべきである。
陰謀論を否定することはできない。
インターネットで陰謀論を見てみると、これを信じる人に出会ってみたいと思うような訳の分からない物もたくさんあります。「なんであんなの信じれるの?」陰謀論を聞きなれていない方はまずこう思うのではないでしょうか。
ここには大きく分けて二つの問題があると思います。
一つ目は少し哲学の話になるのですが、「無」を証明することは基本的にできません。
刑事ドラマなどで「アリバイ」という言葉を聞いたことがあるかと思います。
事件当時にその事件の発生場所にいなかったことを証明するための証拠ですね。
私たちが「アリバイ」を証明するとき、必ずそこに居なかったことよりも、別の場所にいたことを証明するのです。
それは、現場にいなかったという「無」を証明する事が極めて困難な為、他の場所にいたという「有」を証明した形になります。
この性質からいくと、陰謀論に出てくる団体・人・兵器・技術は本当にあるか分かりませんが、それが「無い」ことを証明することもまた困難なため、陰謀論信者はあとを絶たないのでしょう。
もう一つの理由は極めて単純で、たまに正しい情報も混ざっているからです。
突拍子の無い陰謀論な中に、たまに的を得たものも含まれているため、その見分けが困難になっているということがあります。
冒頭で紹介した通り、陰謀論という言葉に信用しずらい印象があるだけで、実際に人為的に起きる事件や事故もこの社会にはあふれているため、そういったものを含みつつ信憑性に乏しい情報を織り交ぜて発信されることで、正しい情報を精査できなくさせていることも多いです。
面白いけど気を付けた方がいい陰謀論
陰謀論は団体や個人を黒幕とした上で、それを証明していく物なので、印象操作にもよく使われています。例えば、自分の国と関係の悪い国を黒幕として取り上げることでその国や、さらにはその国民全体への印象を悪くしたり。
自分のグループのことを棚に上げるために使われることも多いです。
特にここ10年間はその傾向が強く、その原因は、日本の習慣によるところでもあります。
基本的に日本社会は全体主義なので、「みんなが嫌い」を「自分が嫌い」にしなくてはいけないという感覚があります。
そのため、「みんなが嫌い」な団体や個人を「私も嫌いに」に帰ることが“正しい”と考える人が多い為、陰謀論などで社会の嫌われ者を黒幕にしてしまえば、それを信じる人が増えるのが現状です。
過激な表現は確かに面白いですが、現代の情報社会ではちゃんと客観的に考える思考が求められます。
記事紹介
陰謀論について客観的に考察。信用に足る情報の見分け方を考えたとき、陰謀論の見方が変わる。アーティスト紹介
@sandragon965
画家として自作グッズの制作を開始。今後、アマゾンで販売予定!(画家をしております。個展の案内はメールで配信します。登録はこちらです!!)
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