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ハトも大きなドングリを食べる!?

数年前の初夏、大磯の海岸に次々飛来し夢中になって海水を飲むアオバトの美しい姿を見てからというもの、身の回りに生息しているキジバトやドバトを含め、野生ハトの生態について強く興味を抱く様になりました。

特に興味を引かれたのが、冬場を中心にハトがドングリを好んで食べる、という点。
これまでハトと言えば公園で残飯を漁っている...といったイメージしかなかっただけに、是非自分の目で観察してみたいと思った訳です。



身近な社寺林や雑木林に狙いを絞り…

最も不思議かつ疑問に思ったのは、「あんな細い嘴や喉で一体どうやったら大きなドングリを飲み込めるのか?」という点でした。
ネットで調べると、想像以上に大きなサイズのドングリまで飲み込める、との事でしたが、自分の目で確かめない事にはやはり納得できません。
せっかく鳥見用の双眼鏡も新調した事だし、ここは徹底的にフィールドに通い詰め、自分で納得出来るシーンを観察したいと行動に移しました。


幸い近所には社寺林や里山が豊富で、秋から冬にかけてはスダジイやコナラ等、様々な種類のドングリが大量に実ります。
それらの中から最も通い易い数か所を厳選し、10月から2月まで徹底的に通い詰め、その瞬間を目撃しようと頑張ったのでした。




想像以上に大きなドングリをひと飲みに…

秋の始めは台風や大雨もあり、また多くのハトが都市や住宅街の公園に集中していましたから、チャンスも中々訪れませんでした。

ただ街中にめぼしい餌が無くなる11月以降は次第に雑木林や社寺林の奥にもキジバトやドバトが現れ始め、盛んに地面の落ち葉をひっくり返し餌を探す姿が見られる様になりました。


決定的な瞬間は年明けに訪れました。スダジイ豊富な社寺林の地面に降り立ったドバトが落ち葉を豪快に跳ね除け、2センチもあろうかという大きなドングリを咥えたかと思うと、数回軽く咥えなおした直後、一瞬のうちに飲み込んでしまったのです。

一瞬ドングリが通過し喉が膨らむ瞬間が見えましたが、つっかえる様子は一切無く、何事も無かった様にポポナは再び餌を探し始めました。
同様の採食風景はキジバトでも確認出来ました。他人から見れば大した事は無いのですが、自分が想像した以上に器用かつ大胆に大きなドングリをハト助が飲み込む姿を観察する事が出来、大変面白いものでした。



ドングリにも好みがある様で…

それから春に至るまで、何度もドバトやキジバトのドングリ採食シーンを観察する事が出来ましたが、どうやらドングリにも好き嫌いがある様でした。

比較的良く食べていたのは上記のスダジイに加え、比較的小柄なコナラやアラカシ等。一方クヌギやマテバシイはさすがに3センチ近くと大き過ぎたのか、咥え切れず敬遠している様でした。

生息地から離れていた為、残念ながらアオバトを観察する事は出来ませんでしたが、図鑑やネットによると、アカガシを始め、キジバトやドバトよりも大きなドングリも採食するとの事。嘴のサイズが大きく、より大きなサイズに対応出来るのだろう...との事でした。

最初はスタイルの良さから好きになった野生ハトですが、今回の件で生態の面でも大きな謎や魅力を覚える事となりました。
今後は離島のカラスバトも含め、ドングリ採食の視点から観察を進め、生息地の植生との関連性も調べていきたいと、目標を新たにしたのでした。

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(特に無し)

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