sandragon965

保険コーディネーターとの出会い

去年10月にある民営保険に加入した。
保険のコーディネーターは友人に紹介してもらった女の人で、アメリカ留学経験もあり、英語の上手な人であった。
共通の知り合い(紹介してくれた友人)もいる上、一時期は私と同じく英語講師の仕事もしていたそうで、そんなこんなで話も盛り上がり、仲良くなった。
ちょうどこの10月から、保険加入の手続きとして録画制度が始まった。
加入手続きの過程で、保険商品の内容や条件をコーディネーターが説明し、加入者がきちんと理解して署名しているところを、録画する。
そして録画したものが基準に合っていれば認められ、やっと加入できる。
彼女にとっては私が初めての録画対象だったようで、何度も失敗し、そのたびに撮り直しだった。
私は別にさほど気にしなかったが、撮り直しのたびに彼女は申し訳ないと思ったのか、食事をおごってくれた。



手紙

ある日は鍋料理を食べに行った。
食事も終わるころに彼女は私にチョコレートの箱を差し出して、言った。
「これ、プレゼントです。気に入らなければ、他の人にあげてもいいけど、ただ中に手紙が入ってるから、それだけは他の人にあげないように・・・」家で箱を開けたら、言われたとおり中に手紙が入っていた。
「あなたは私にとって初めての海外のお客様であり、そして初めて録画の主人公になってくれたお客様です。だから私にとってとても重要な人です。このチョコレートを差し上げるのは、あなたの人生が、このチョコレートのように甘いものになってほしいと願ってのことです。あなたの新しい友人、保険コーディネーターのQLより」

感激もしたけれども、保険業ってこんなこともしなくてはならないのかな、大変だな、と、半ば冷静な気持ちもあった。



マーケティングの4P戦略

マーケティングの4P戦略というのがある。顧客を増やすための戦略において中核をなす概念で、一般的には、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の4つである。
ところが、最近ではこれが「新4P」なるものに取って代わられていると、秋に受けたビジネス講義で聞いた。
People(人員)、Processes(プロセス)、Programs(方案)、Performance(実績)だと。
そのうちPeople(人員)について、講師を務めていた先生は言った。
「ビジネスをする人たちは、消費者を、単に製品やサービスを購入する存在ではなく、『人』としてみなし、より広い視野で彼らの生活の様々なことを知ろうとしなければならない。簡単に言えば、消費者と友達にならなければならない。
友達のことを気にかけるのと同じように、消費者のことを気にかけなければならない。
友達に対してはだましたりしないでしょうし、そういうふうに接してもらえば相手はそうたやすくサプライヤーを変えたりはしないんですよ。」



ビジネスの先輩として見習いたい

そうか、この優秀な保険コーディネーターにとって、本当の友情と商売の戦略とは、もはや区別のないものなのかもしれない。
優秀な、というのは、紹介してくれた友人から聞いたのだが、彼女は業績が良くて社内でときどき表彰されているのだそうだ。
翻って私はといえば、これまではお客様との関係は、あまり踏み込まないように、仕事以外のことでは関わらないように、と思ってきたし、そう教育されてきた。
それが時代の違いなのか場所の違いなのか、実はわからないのだけど、これからもまだ仕事人生を生きなければならない身としては、盲目的に真似するかどうかはともかく、参考にする価値はあると思う。
現に私は顧客としてもここにしてよかったと思っているし、この地に友達が1人増えて嬉しいとも思っているのだから。




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ライター紹介

2012年に中国・蘇州に赴任して以来、日本人子女の学習指導及び中国人学習者対象の語学指導に従事。

アーティスト紹介

@sandragon965

画家として自作グッズの制作を開始。
今後、アマゾンで販売予定!(画家をしております。個展の案内はメールで配信します。登録はこちらです!!)
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