生活保護は廃止できない理由
生活保護というのはあまり良い印象ではない制度に思える。しかし生活保護を廃止すると日本が終わる理由が存在する。
今後も生活保護という制度を持続し発展させるべきである。
生活保護とは
本来、生活保護とは働きたい意思を持っていても働けない事情がある人に対して最低限の生活を保障する為の救済措置だ。重度の持病を患っている、家族の介護で働く機会が無い等、労働に対して明らかな障害がある場合、その資格は生じる。
だが、この制度は長らく賛否両論があり、廃止すべきという考えを持っている方も少ながらずいるのが現実だ。
なぜ、このような考え方が生まれるのか。
それは、日本国が資本主義国家であるという事も当然理由にあるとは思うが、それだけではないと考える。
その理由について、独自の見解も踏まえ、考察をしていきたいと思う。
生活保護の制度に反対している人の理由
生活保護を反対している人達の考え方は様々だ。まず1つ目は自分が納めている税金を使われることが嫌だから。
これはなぜ自分は辛い思いをして労働をして税金を納めているのに、その税金が働いていない人間に支給されなければならないのかというシンプルな不公平感を感じた意見だ。
しかしこれは、財政や貨幣の勉強をすれば、全くの間違いであることがわかる。
2つ目は、不正受給の報道の影響だ。
本来、受給資格が無いにも関わらず審査が通ってしまい、生活保護を受給してきたいわゆる不正受給の報道により、国民が怒りを覚えた為だ。
これは行政がしっかりしなければならない事なのだが、受給をしていない国民からすればこの様な事件もあるからムダ金と感じてしまうのだろう。
3つ目は、そもそも生活保護を受けなければならない人は国に必要なのかという合理主義者の存在だ。
この考えは極めて新自由主義的であり、グローバリズムの弊害であるとも言える。
最後に4つ目は、財源確保の問題だ。
生活保護を廃止したいと考えている人たちは、国の財政問題を危惧している。
日本ではよく国の借金が多いと言われているが、現実には国の借金ではなく政府の借金である。
そして、政府の借金は全て日本円建て国債であり、最大の保有者は日本銀行である。
この日本国債が大量に発行されると、国債の信用がなくなりハイパーインフレが起きる為、これ以上国債を増発することができなくなると言う意見である。
しかし、そのような事態は残念ながら、まず想定されないので安心してほしい。
日本円建ての国債では日本はそもそも財政破綻をしないし、赤字国債を増発してもインフレ率が急騰しなければ、その範囲でいくらでも国債が発行できる。
なのでインフレさえ気にしなければ、国債の発行はかなりの余力があるのである。
そして、生活保護に必要な財源を国債発行で賄ったとしても、その程度では日本国はインフレに苦しむことはないのである。
むしろ生活保護者が経済の一部を消費で下支えしてくれているため、生活保護の受給をきちんと申請して、それで消費をしてくれていることは経済的にはありがたい。
もし生活保護を廃止した場合
前述で生活保護を反対している人達の理由を述べたが、一見確かにどれも一理ある為、この議論は中々収束しない。では、もし仮に生活保護を廃止した場合、どうなるのか。
この国では生活保護を受けなければ生活できない人たちが少なからず存在する。
もし生活保護が受けられなければ、その人達は漏れなく路頭に迷い、野垂れ死にすることになるだろう。
合理主義者からすればその方が生産性は向上する為、むしろ良い仕分けになると考えるかもしれない。
だが、果たしてそれで本当に良いのだろうか。
2006年に認知症の母親の介護で仕事が出来なくなった男性が生活保護が受給できず、最終的に母子心中を図ったいたたまれない事件があった。
生活保護を廃止するという事は、この様な事件を多発させることになる。
生活保護制度が廃止されるデメリット
生活保護制度が廃止されると、生きていけなくなる人たちが大量に出てきて、様々な犯罪を犯すなど社会不安につながる。今まで生活保護を受給して生活されていた人が、 生きるために違法な行為に手を出して犯罪で収益を得るようになる。
生活保護を廃止すると日本の社会で犯罪が増えるデメリットがまず考えられる。
また、生活保護者を対象とした商売をされている業者が廃業し、連鎖的な事業の倒産が起きるため、 日本の経済は壊滅する可能性がある。
さらに、生活保護者の消費によって下支えされていた一般の事業者も苦境に立たされるため、廃業や倒産が相次ぐ可能性が十分に考えられる。
大阪維新の会が生活保護を廃止させようとしている
大阪維新の会が2021年の衆議院選挙の公約にベーシックインカムを導入すると発表した。ベーシックインカム導入のために、生活保護制度と年金制度を廃止し、国民1人当たりに6万円程度支給するというものである。
このような、生活保護を廃止しその分の財源で、大阪維新式のベーシックインカムと言う共産主義的な革命を大阪維新の会は本気で起こそうとしているため、極めて危険である。
このベーシックインカムは、 竹中平蔵の政策提言であり、それに則った形で大阪維新の会は選挙公約としてベーシックインカムを掲げているのである。
生活保護を受けるということ
結論を言えば、生活保護を受けるということに関して私は必要な人にとっては全く問題が無いと考える。偽善的と思われるかもしれないが、そうではない。
明日は我が身なのである。
明日、難病を患い労働が出来なくなる可能性はゼロではないのだ。
もし自分自身がそうなってしまった時の救済措置として存在してほしい為必要と考えるのである。
つまり、これは俗にいう公助であり「国民の権利」なのだ。
もちろん、生活保護の受給者なのに、必要以上の贅沢をしている場合は受給額を調整する必要があるかもしれない。
外国人の不正受給など論外だ。
ただ、生活保護は悪という考えを持っている人は、今一度考えて欲しい。
受給者の中にも好きで受給をしている人ばかりではないという事を。
受給者にも家族があり、自分の人生があり、命があるということを。
同じ人間なのだという事を。
記事紹介
生活保護を受ける事は本来恥ずべき事ではない。だが、何故生活保護は人々にとってマイナスイメージがあるのか。
アーティスト紹介
@sandragon965
画家として自作グッズの制作を開始。今後、アマゾンで販売予定!(画家をしております。個展の案内はメールで配信します。登録はこちらです!!)
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